加齢黄斑変性の治療薬でブロックバスターの可能性が出てきたか?
注目きっかけ
決算動画よりRBM-007(加齢黄斑変性)での国内外の大手製薬会社へのライセンスアウトについて、「まず間違い無い」というコメントがあった。
今年中のライセンスアウトが近いのか?
[決算動画より]
・国内外の大手製薬会社の事業提携の話し合い
・未開示のデータを出している
・その評価も頂いている
・まず間違いないという見通しを持っている
PⅠ/Ⅱaの段階でライセンスアウトする会社が現れたのか?
[決算動画より]
そう受け取って貰ってもいい
RBM-007のライセンスアウトの可能性
・グローバルのライセンスアウトが理想、そうすれば非常にビッグディールになる
・その可能性は今、十分にある
・同時にテリトリー割って、分割したライセンスアウトの可能性もあり財務基盤との天秤にかける事も
去年の年末の会社説明資料
「2019.05.28」の決算動画から注目する点は以上ですが、正直な所これだけだと材料を判断するには少し情報が足りないと思い去年の年末の会社説明資料も確認
RBM-007の特徴
・FGF2というタンパク質をターゲットにした阻害剤
・滲出型加齢黄斑変性症(wet AMD)の治療用
既存薬の市場規模は全世界で約1兆円規模
→ただし既存薬(抗VEGF阻害剤)には問題点がある
・効果が得られない患者が相当数存在
・2、3年程度経過すると効果が低下、失明のリスクも
よって新薬が求められている
既存薬に対する優位性
・新しい作用機序(網膜の瘢痕形成を抑制する作用)
→既存薬では奏効しない患者に対して新しい治療法を期待
・通常一か月に一回の注射を2~3か月に一回程度を想定
→患者の負担が大幅に軽減される
Non-VEGF標的のAMD医薬品のライセンス契約事例
以上の事からグローバルライセンスだと非常にビッグディールになるという言葉ですが、どれくらいのビッグディールになるかという想定を「Non-VEGF標的のAMD医薬品のライセンス契約事例」を見てみると
2014年の契約(ただしこれは途中で失敗した)
アップフロントで2億ドル
マイルストーンで10億ドル
ロイヤルティは非開示
また2018年12月の動画の中では「我々が狙っていきたいライセンス契約は、こういうかたちを狙っていきたい」とのコメントもあり、2019年5月の動画の中で「グローバルライセンスなら非常にビッグディールになる」というコメントも併せて考えると、相当程度大きなライセンス契約になる可能性が高いと考えても間違いは無いのではないかなと。
まとめ
・加齢黄斑変性(Wet AMD)の既存薬の市場規模は約1兆円
→ただし既存薬には問題がある
・RBM-007(加齢黄斑変性)には既存薬より優位性がある可能性が高い
→9人の治験のデータで既に国内外の大手製薬会社と提携交渉に入った
→同時にライセンスの規模は別にしてもライセンスアウトの可能性が非常に高いとのコメント「まず間違いないという見通し」
→Non-VEGF標的のAMD医薬品のライセンス契約事例から見るとマイルストーンで500億円~1000億円クラスの可能性もある
→また社長コメント「それを目指す」「新規性から考えてもそういう可能性が十分にある」という話と、対象市場の規模(1兆円)から考えても、国内外の大手製薬会社へグローバルでのライセンスアウトできたならば、同程度の契約となってもおかしくないのではないか?
※ただし社長の動画でのコメントを信じるならばという前提での話です。切羽詰まってビッグマウスの可能性もバイオ業界はいくらでもあるので、そこは注意です。
【補足】Dry AMDに対する効果について
可能性はある
※2018年12月の動画のコメントより
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