楽天の「英語公用語化」のメリットは本当にやばいという元システム屋さんのお話

2014年03月27日
楽天の「英語公用語化」は、ヤバいです
楽天・三木谷社長ロングインタビュー(その2)
http://toyokeizai.net/articles/-/33821

この記事のこれですね。

いくつか事例を挙げると、ひとつ目はエンジニアの採用。現在、日本のエンジニアの採用の70%は外国人です。彼らは日本語をまったく話しません。だから新入社員説明会というと、 昔は外国人が数人いるという感じでしたが、今は「日本人いたの?」という感じになってきました。

インターネット企業は技術がいちばん重要です。ただ、日本でコンピュータサイエンスを 専攻している卒業生は、だいたい年間2万人しかいません。それに対し、アメリカは約6万人、 中国は100万人、インドは200万人いるんですよ。だから何百万人のプールから人を雇うのか、 それとも2万人のプールから雇うのかによって、競争優位が全然変わってきます。

ついにその日が来たか…(ずっと前から来てるけどね)
と思いました。

エンジニアの採用の70%は外国人という現実

工場の空洞化の次に来るのは、エンジニアの空洞化かもしれません。これはアメリカでも起きている流れですが、WEBデザインの会社はアメリカではほぼ生き残れません

その理由は下記です
・よっぽど卓越した技能でなければ発注しない
・システムは、自社で抱える事が多い
・優れたデザイン技術をもつ社員は大手に引き抜かれる
英語圏の途上国に価格では勝てない

特にここです「英語圏の途上国に価格では勝てない」

アメリカの会社が使うシステムをアメリカで開発する必要ってないんですよね。

これは、

日本の会社が使うシステムを日本で開発する必要は無いです
サーバだけ日本において開発は海外なんて流れはもうシステム会社では当然になっています。

楽天も今は本社を日本においてエンジニアも日本かもしれません。しかし数年後には開発拠点をマレーシアなどの海外に置くでしょう。というか大手のシステム会社は既に置いています。

本社に必要になるのは、英語(現地語)が出来てシステムへの知識に精通している少数の社員だけでよくなります。

それの何が悪いの?って思うかもしれませんがこれは企業にとっても国にとっても良くない傾向です。

相場の言葉に「国が滅んで栄える企業無し」という言葉があります。

長期的に見れば以下の2点だと思います。

(1)システム開発力(競争力)の衰え
海外の人を上手く使えばいいじゃん?と思うかもしれませんが、エンジニアで優秀な技術を持つ人たちは外国人ばかりになりノウハウも海外で蓄積されます。今は、その人たちが日本企業に雇用されていますが、独立を考え始めたらどうなるでしょうか?

外国の人は、日本への愛情はあるかもしれませんが日本の国よりも母国を優先するのは当然の事でしょう。

海外がだめだから、じゃあ日本のエンジニア雇うお!って言っても優秀な人材なんてそう簡単に確保できません。昨今の建設業の技術者不足を見れば分かると思います。

失ったときに初めてその大切さに気がつく事になりますし、もうそうなってからじゃ手遅れです。

(2)国内雇用の減少
楽天や大手のシステム会社で外国人を雇用してるのは本当に多いと思います。プログラムは元々英語をベースに開発されているので英語圏の方が強いです。当然、日本語圏のプログラマーはハンデを背負っています。もちろん優秀な方は優秀ですが裾野の問題です。

これは、ぐうの音も出ないほど正論です
何百万人のプールから人を雇うのか、 それとも2万人のプールから雇うのかによって、競争優位が全然変わってきます
しかし、各企業が自己の利益の最大化を図ることで国内の雇用は失われ日本の景気はそろそろ失われた30年に入ろうとしています

最後に

別にこの件について楽天だけを批判しているわけではありません。
この流れは止めることは出来ないでしょうから。
ただ、
日本という国が沈んで行って自分だけ生き残れると思っているのか?

「国が滅んで栄える企業無し」

この言葉を噛み締める日が必ず来るでしょう。
※だからといって日本のために犠牲になれとか言うつもりはないです。自己の利益を最大化するのは企業の責務です。ただ自己の利益ばかりを考えすぎて全体への貢献を忘れてしまえば、めぐりめぐってそれは跳ね返ってきます。

後、記事の中のこれ

(笑)批判ありましたね。なんで批判されるのか、それがわからないですね。一企業がやることはほっといてくれればいいんじゃない。

しかし、この人を本当に好きになれないわ(苦笑)

自分の事しか考えてないんわ。企業は社会の公器って言葉を知らないのかな?

コメント

  1. とおりすがり より:

    こんにちは
    いつも参考にさせていただいております。
    有益な情報が多くてとても良いブログですね。

    私もSEで中国・インド・カナダ・米国の方たちと直接やりとりをしながら仕事をしています。
    その経験から言うと、記事は一部正しくて、一部違うと思います。

    外国の人の日本向けWebデザイン技術は確かに相当向上してきています。
    あまり複雑な日本語を理解しなくても良い分野についてはオフショアで成果を挙げているところもありますね。

    しかし、コア業務や各種法規、制度が関わる分野は日本人でも難解な業務要件を理解して構築しなければ
    なりません。こういった分野は日本人主体で残ってゆくでしょうね。

    日本人にとって英語が障壁となるように、海外の人にとっても日本語は参入障壁になるんです。楽天がやっていることは特殊事例で一般化するようには思えません。あそこのシステムもコアな業務はまだまだ日本社が担当していますよ。

    日本語と英語をしゃべれるSEというのはまだまだ少ないです。ましてや、外国人で業務が理解できるレベルの日本語読み書きができる人は本当に少ない。記事の通り、英語とシステム知識があれば米国の仕事ができます。わざわざ難解な日本語を理解して日本に来ようという人の母数はそれほど多くないし、そんなに増えているようにも思えません。

    • 損 斬丸 より:

      >>とおりすがりさん

      コメントありがとうございます!

      >>あまり複雑な日本語を理解しなくても良い分野についてはオフショアで成果を挙げているところもありますね。
      ■そうですよね。特に最近その動きが目立ってきたと思います。私は、もうシステムから離れてしまっているのでリアルタイムには分かりませんが段々とその潮流が顕著になってくるのを危惧しています。

      >>しかし、コア業務や各種法規、制度が関わる分野は日本人でも難解な業務要件を理解して構築しなければなりません。こういった分野は日本人主体で残ってゆくでしょうね。
      ■そうですよね!コアな部分だけは日本人主体で残っていきますよね…。ここまで外国の方で埋められたらもうどこの国の企業かわかりませんが…(苦笑)ただ、法制度など関連した部分は日本人で残るとは思いますが、WEB系やアプリ開発などは東南アジアの国へオフショアの流れが加速しているようですね。

      特に、日本語と英語をしゃべれる日本人のSEが今よりも多くなれば末端の開発はどんどん海外へ流れていくと予想しています。

      >>日本語と英語をしゃべれるSEというのはまだまだ少ないです。ましてや、外国人で業務が理解できるレベルの日本語読み書きができる人は本当に少ない。記事の通り、英語とシステム知識があれば米国の仕事ができます。わざわざ難解な日本語を理解して日本に来ようという人の母数はそれほど多くないし、そんなに増えているようにも思えません。
      ■これは、本当にその通りだと思います。ただ英語できれば日本よりもアメリカに行きますよねw

      楽天のやっていることが特殊事例であればいいのですが、あの方向性が大きな流れのように見えて仕方ありません
      日本人で英語を流暢に話せる割合が増えるにつれて、逆に日本人の雇用が少なくなるなんて事にならないで欲しいです。

      後はこの記事を読んでいて、怖いなって・・・
      日本で活躍するバングラデシュ人エンジニアたち
      ttp://jbpress.ismedia.jp/articles/-/40300
      ・日本語はベンガル語と文法が似ているので学びやすい
      ・バングラデシュにオフショア開発チーム

      ただ、より優秀な人を雇いたいという企業の心情は当然のことですので、裏を返せば日本人何をやってるんだよ!って話にもなるとは思います。良くも悪くも競争がグローバル化してきて、各個人が海外の労働者との競争の時代になっているんでしょうね。