DeNA(2432):平成26年3月期 決算短信〔IFRS〕(連結)
https://www.release.tdnet.info/inbs/140120140507053825.pdf
前回の記事でも書きましたが、注目するべき点はソーシャルゲームの売上減少が止まるかどうかです。
四半期毎のソーシャルゲームの売上を追ってみました
ソーシャルゲームの営業収益 | ||
年度 | 売上収益 | 前期比 |
H25第2Q | 438 | 6.31% |
H25第3Q | 474 | 8.22% |
H25第4Q | 472 | -0.42% |
H26第1Q | 451 | -4.66% |
H26第2Q | 402 | -12.19% |
H26第3Q | 362 | -9.95% |
H26第4Q | 343 | -5.25% |
H27第1予 | 315 | -8.16% |
※H26第1予の予想は、今期決算からソーシャルゲームの売上割合(85.95%)を算出して今期第1Q予想(36,600百万円)にかけたものです。
何をどうひっくり返してみても下げ止まりが確認できません。さらにいえば、今期第1Q予想が前期第1Qのソーシャルゲームのセグメント売上にすら達していない点です。
現時点で見える未来はモンストがヒットする前までのmixiの再来です。
経営成績に関する分析:ソーシャルメディア事業
・アプリ市場向けは、足がかり程度
・ブラウザ市場向け既存タイトルの利用低迷が急速に拡大
・海外「Mobage」は、新タイトルのリリースが進捗
・利益率の高い国内「Mobage」の内製・協業タイトルでの売上収益が減少
結局は、国内の「Mobage」頼みの収益構造でありそれの崩壊が止まらない状態であるということ。また現時点でPERは比較的割安のように見えますが、それは錯覚です。株は、基本として将来の成長を折り込むものです。つまり成長が止まったと判断された場合はPER5倍でも割高と市場が判断する場合もあります。
株価情報等
(株)ディー・エヌ・エー(2432)
モバイルSNS「モバゲー」主力。SNS上のゲーム課金が収益源。11年末プロ野球球団買収。
(※上記特色は、yahooファイナンスより引用)
株価:1635円(2014/05/09 15:00)
前日比-27円(-1.62%)
25日移動平均価格:1759円
25日移動平均乖離率:-7.05%
株式時価総額:2465億円
平成26年3月期の連結業績
単位:百万円
売上収益:181,313
営業利益:53,198
当期利益:32,807
1株当たり:241円
PER:7.29倍
株価チャート
そして決算が漏れていたとしか思えないほどのきれいな下げチャート
※外部環境から推測すればこのような状況になるというのはほぼ推測できたので、漏れていなくても売る人は売ったと思います。
雑感
・もうソーシャルゲームは厳しいかな
そもそも欧米に比べても日本の課金率は異常でした。その異常な状態が当たり前だと思って海外進出したところで上手くいくはずもありません。ある意味で日本は特殊市場なんだとは思いますが、課金すること自体が恥ずかしいという空気も醸成されつつある中で、ソーシャルゲームがどこまで耐えれるかは分かりません。ただ、グリーは終了だと思っていますが、DeNAは生き残る可能性はまだあると思います。
そう思う理由は一つです。
外部から見た印象だけですが、経営者の人間性の違いです。
南場さんには、頑張って欲しいですね。
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