通期業績予想の修正
平成26年6月期第2四半期業績予想と実績の差異及び通期業績予想の修正に関するお知らせ
http://www.fesco.co.jp/news/140206001.pdf
差異の理由
・固定買取価格精度を背景とした太陽光が伸展
・7月から白川ウッドパワーが子会社
・FITの売電が好調
売上高:7100 → 7200(1.4%増)
営業利益:880 → 1200(36.4%増)
ここであれ?っと思っていました。売上の増加額(絶対値)よりも営業利益の増加額(絶対値)の方が大きいんです。
ですので、利益率に注目
第2四半期決算短針より
前四半期:売上総利益率 16%
今四半期:売上総利益率 26%
売上げの増加は、関連会社を子会社化したことによるものでしょう。ですので、ちょっとセグメント別売上げをみています。
前四半期
省エネ:1,649(利益:30)
グリーン:1,011(利益:209)
今四半期
省エネ:1,787(利益:111)
グリーン:1,963(利益:641)
グリーンエナジー事業の利益率に注目です。
前四半期:20.6% → 今四半期:32.6%
考えるべきは、そもそもなぜこんなに利益率が高いのか?って事です。
木質バイオマス発電事業の可能性
大分県豊後大野市 木質バイオマス発電事業について
http://www.fesco.co.jp/news/ir/pdf/35688.pdf
ん?と思っていたのがこれですね。
単体でIRを見てても何も見えてこないのでニュースを検索
未利用材で発電 日田の2社、来年から
[2012年12月01日 09:46]
http://www.oita-press.co.jp/localNews/2012_135432294942.html
一昨年の年末に出たやつですね。注目点は以下です。
敷地内には親会社の日本フォレスト(同市)が未利用材を燃料チップにする処理施設を整備。未利用材は周辺の森林組合などと連携して半径約50キロ圏内から調達する。年間7万トンが必要で、林業関係者からの購入費は5億~6億円を見込む。
来年2月から木質バイオマス発電所(出力1万2千キロワット)の燃料を未利用材中心に変える。
ここで注目は、「未利用材」ですね。
未利用材ってなんだ?っと思いFITを見てみると
再生可能エネルギー電力買取制度(FIT)の開始と概要
http://www.npobin.net/hakusho/2013/topix_01.html
バイオマスの調達区分・調達価格(税込)
未利用木材 燃焼発電:33.6円(税抜き:32円)
リサイクル 木材燃焼発電:13.65円(税抜き:13円)
やっぱりか(苦笑)
同じ木材でも未利用材だと買取価格が、約2.5倍になります。
ここで、「利益率の高さ」の理由が見えますね。
さてと改めて「大分県豊後大野市 木質バイオマス発電事業」について見直してみると
※必要なところだけ抜粋
年間発電量:約1億2千万Wh/年
燃料使用量:21万t
総投資額:65億円
この発電所が未利用材の発電所かどうかについては、未利用材の発電所です。
↓これですね。
7年間の実績をもとに建設、木質100%のバイオマス発電所
http://www.itmedia.co.jp/smartjapan/articles/1309/10/news022.html
2013年09月10日 13時00分 更新
・年間の発電量は1億2000万kWhに達する見込みだ。
・1kWhあたり32円の買取価格で年間に約38億円の収入になる。
・総事業費は65億円を想定している。
ひとまずこの発電所の利益率を計算してみます。
まず、38億円の収入については、
約1億2千万Wh(年間発電量) × 32円(買取単価) = 38.4億円
なので間違いないと思います。
この売上を前提に簡単に利益計算してみます。
売上:約38億円
-燃料費:約18億円 ※注1
-人件費:約3億円 ※注2
-減価償却費:約3億円 ※注3
———————
利益:14億
土地の使用料:不明
運転維持費:不明
※注1 前の記事の7万トンで6億円から計算
※注2 不明なので50人(適当)を平均600万円(平均年収より)で雇用と計算
※注3 耐用年数20年で計算(X × 0.9 ÷ 20)
ちなみに稼動は2015年の夏からです。
再来期の決算から乗って来ますね。
まぁ、利益14億は乗りすぎだとしても、セグメント利益率から計算すれば
38億円 × 32.6% = 12.388億円
低めに見て10億円の利益上乗せは堅いと考えても間違いないでしょう。
つまり、ファーストエスコ(9514)の業績予想
今期
売上:72億円
純利:12億円
↓1期飛ばして
再来期
売上:110億円
純利:22億円
低く見積もっても上記のように予想されます。もちろん工場の未稼働などのトラブルはありますが現時点では会社IR通りに進むと考えるとこうなります。これが最低でも20年続くわけですね。
まとめ
・極端に高い利益率
・中長期なら買い
・林業の活性化というコンセプトは、農林水産省が好きそう
・ファーストエスコは、生木(間伐材)の燃焼において高い稼働率を実現している
・単純な今期の利益だけでなく成長性についてもほぼ確定している
・木質バイオマスは、国策
・高すぎる固定買取価格(FIT)がゆえに参入早いもの勝ち状態
・バイオマス発電バブルが来ると最近言われ始めている理由が良く分かった
個人的な意見
・補助金でしか利益でない事業なんて、国策でやる意味ないとは思う。
・ターゲットポリシーなんて上手くいった試しがないんだからやめればいいのに
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