実は任天堂(7947)の業績がやばい件。今買ってはいけない理由

 

任天堂(7947)の業績

2010年~2014年3月期
http://www.nintendo.co.jp/ir/finance/2013_04.html

2010年3月期 2011年3月期 2012年3月期 2013年3月期 2014年3月期
売上高 1,434,365 1,014,345 647,652 635,422
営業利益 356,567 171,076 △37,320 △36,410
経常利益 364,324 128,101 △60,863 10,482
当期純利益 228,635 77,621 △43,204 7,099
1株当たり当期純利益(円)※ 1,787.84 606.99 △337.86 55.52
総資産 1,760,986 1,634,297 1,368,401 1,447,878
純資産 1,336,585 1,281,861 1,191,025 1,227,520
自己資本比率 75.90% 78.40% 87.00% 84.80%
1株当たり純資産額(円)※ 10,450.33 10,022.26 9,313.15 9,598.22

今回の修正
通期業績予想及び配当予想の修正に関するお知らせ
http://www.nintendo.co.jp/ir/pdf/2014/140117.pdf

売上高: 920,000百万円 → 590,000百万円(△ 35.9%)

修正の理由
1年で最も売上が大きくなる年末商戦において、ハードウェアの販売が想定した水準に届かなかったことなどにより、利益率の高いソフトウェアの売上が予想を大きく下回りました。その結果、売上総利益が販売費及び一般管理費を下回り、営業損失となる見込みです。

上から読み取れる事は、「ゲーム機を安値で販売してソフトで収益を稼ぐ!というビジネスモデルが通用しなくなりました」という事です。

これはかなり大きな転換点であると思います。

 

任天堂(7947)の競合はゲーム機メーカーではない?

10年チャート
7974(任天堂)
3632(GREE)
2432(DeNA)
7947

上のグラフを見る限りソーシャルゲーム業界と反比例するかのように任天堂の株価が落ちています。

特に目立つのが2009年からの株価推移ですね。
転換点は、2009年と2010年にあります。

その時期に何があったかと考えてみたところ以下だと推測します。

スマートフォン市場規模の推移・予測(2013年10月)
http://www.m2ri.jp/newsreleases/main.php?id=010120131009500
1381303881-1s

2012年度のタブレット端末市場は489 万台、2013 年度は638 万台へ
http://blogs.itmedia.co.jp/kichi/2011/09/pcsep11-4972.html
2013タブレット表3

2009年…スマートフォン
2010年…タブレットPC
が急速に普及するにつれてユーザーが
ゲーム機 → スマフォ・タブレットへ移行していったことがわかります。

特にこれを感じたのは、帰省した時に親戚の子供がスマフォやタブレットでゲームをしてるんです。一昔前は、PSPやDSだったのがずいぶん変わりました。この時に時代の変化を感じましたね。

ゲーム好きの私でも、ドラクエ10を始める時に初めてwiiを買ったのも時代の変化を感じます。そして1年後にPC版を出したスクエニにイラっとしてます。最初からPC版も同時にリリースしろよ!って…。

ようするにゲームをするユーザーがゲーム機を必要としない時代になっているんです。ですので新しいハードを出しても以前のように売れないと思います。競合が、PS4やXBOXではなくなりました。

音楽業界の競合が携帯電話であったのを彷彿とさせますね。ポーターの戦略論でいう「代替品の脅威」です。

ただ、だからといって任天堂が倒産するとは思っていません。
有力なコンテンツホルダーでありマリオなど面白いゲームを作り続けてきた実力は決して侮ってはいけないと思います。しかし、現時点では2兆円の株価を正当化するには難しいということです。

 

任天堂(7947)の内部留保は莫大?

平成25年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)
http://tdn.ifis.co.jp/data/disclose/18/20130329/140120130329009182.pdf

営業活動によるキャッシュ・フロー
25年3月期:△40,390
24年3月期:△94,955

営業CFが2期連続でマイナスなんです。これは結構まずいお話です。
マイナス幅が、400億円と940億円です。
去年の年初の「現金及び現金同等物期末残高」は、4690億円です。
つまり10年間「25年3月期」と同様の状況が続けば、キャッシュがなくなります。

これは、あくまでも今の状況が継続するならばの話です。
ちなみに四季報より
従業員 連5,195名 単1,988名(36.4歳)[年]868万円

人件費だけで年間約450億円消えていっています。
よく任天堂は内部留保がたくさんあるから売上げなくても大丈夫なんて話がありますが、10年で消えます。

またタブレットPCやスマホが市場を占有しつつある以上、任天堂に厳しい状況は続きます。次の決算に期待する向きもあるかもしれませんが、相当に厳しい事を私は推測しています。

 

じゃあ、いつ任天堂(7947)の株を買えばいいの?

時期はわかりません。
ただこういう時は買い時ってのはあります。
(1)リストラ策を発表して黒字転換予想が立てれそうな時
(2)wiiのようにまた新しい分野のゲーム機を発売したとき
(3総悲観になっているとき

つまり、任天堂はまだ大丈夫!とか言ってる人が多いうちは、入るのは危険ですね。

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