新興企業が強気の予想を出す理由
企業の業績予想は当てにならないと感じた事があるでしょうか?私は基本的に当てにならないと思っています。ただしそれは企業が嘘つきだからというわけではないです。そもそも1年先の事なんて誰にも分からないんです。だから、逆に業績予想通りに着地する事自体がすごいと思っています。
そういう前提を元にちょっとだけ開示の歴史に触れておきます。
東証一部の企業はなぜ保守的の予想を出すのか?
気づいている方も多いようですが、企業の業績予想を強気に出すか保守的に出すかは企業(業種)によって特に偏ります。
企業の業績予想とは何だろうか?と考えた時に、計画なのか目標なのか保証なのか?それともなんらかの理由によって意図的に歪められた情報なのか?
企業の業績予想とは?
1.計画である
2.目標である
3.保証である
4.意図的に歪められた情報
だいたい上記の四つの可能性があります。少しだけ歴史の紐を解くと
業績予想(IR)の歴史
■バブル以前
目標であった
■バブル崩壊後
アナリストや機関投資家(株主)から業績数値を保証する事が求められる
↓予想が外れると
アナリストや機関投資家(株主)から、けちょんけちょんにされる。
■その後
業績予想を下方修正して、フルボッコにされるのが嫌なため各企業はこぞって「超絶保守的」な予想を出すようになりましたとさ
めでたしめでたし(お終い)
というわけで、
こんな開示を取り巻く状況ですが、新興企業だけは、相変わらず上場後1年~2年は強気の予想を出してきますね。
上記を踏まえた上で「新興企業が強気の予想を出す理由」を考えてみる
(1) まだ株主総会でサンドバックにされるという洗礼を受けていないので、業績予想が未達だったときの惨状をあまり理解していない
(2) なんらかの理由で「意図的に歪められた情報」を出す必要がある
(3) 常に強気の予想を出すのが好きな社長であり、株主総会でどれだけ叩かれようともへっちゃら。むしろ「嫌なら買うな!」と言っちゃうくらい
上場後1年~2年すると上場時に威勢が良かった企業もすぐに大人しくなるので、上記の予想は大きくは外してないかと思います。
ちなみにですが
企業が市場の対話に失敗すると、大きなボラタリティが発生して、投機筋のターゲットになりやすいです。それは、上方修正でも下方修正でもです。サプライズが大きければ大きいほど投機筋が介入しやすくなります。
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