平成25年12月期 決算短信〔日本基準〕(連結)
http://www.seikopmc.co.jp/files/20140212_fr.pdf
中期経営計画「CS VISION-I」(2013 年 3 月期~2015 年 3 月期)の修正に関するお知らせ
http://www.seikopmc.co.jp/files/20140212.pdf
決算より
経営成績に関する分析
・厳しい経営環境が続きました
・ロジンを始めとする原材料価格の高騰
・為替差益の発生
事業のセグメント別の業績
・製紙用薬品事業
売上高は、前期同一期間比2.3%増
・印刷インキ用・記録材料用樹脂事業
売上高は、前期同一期間比2.3%増
次期の業績見通し
・売上高は前期同一期間と比較して21.7%増の26,160百万円
・営業利益は同19.2%増の1,100百万円
・経常利益は同8.1%減の1,180百万円
・当期純利益は同14.8%減の730百万円
四季報との比較
売上:22,000 → 26,160(118.9%)
営業利益:1,200 → 1,100(91.7%)
経常利益:1,300 → 1,180(90.7%)
純利益:800 → 730(91.2%)
事業等のリスク
・DICグループから特段の制約等は受けておりません。
・日本及び中国の製紙業界の生産動向の影響を大きく受ける
・主要原材料は、石油化学品及びロジン(松脂)
・為替レートの変動
私の雑感
・売上だけ除けばこんなものかなという感じ
・特にサプライズ無しで決算は通過
私としては、サプライズはこっち
中期経営計画について
数値目標の修正
営業利益率:9.7% → 6.3% へネガティブ修正
新規事業領域 売上高比率:4.1% → 15.0% へポジティブ修正
2014年12月期予想
新規事業領域 売上高比率:10.8%
ここで、え?と思ったんです。
元々の中期経営計画では、「新規事業領域 売上高比率」は、2015年に4.1%だったんです。それが2014年の時点で10.8%になっています。
では、新規事業領域とはなんなのか?というと
「新規事業及び2014年4月に取得する予定の興人フィルム&ケミカルズ社の化製品部門の数値を含んでおります。」
これですね。
また、決算短信より
・新規開発事業
当社コア技術の新規テーマへの適用範囲の拡大により、下記テーマの早期事業化を目指してまいります。
①再生可能な環境資源(セルロースナノファイバー)
②エレクトロニクス関連材料(銀ナノワイヤ、感光性材料等)
ここで考えるのが四季報が予測しなかった売上は何なのか?ってところですね。
材料①
売上:22,000 → 26,160(118.9%)
差額にして約41億円です。
材料②
興人フィルム&ケミカルズ株式会社が新たに設立する子会社の株式取得に関するお知ら
http://www.seikopmc.co.jp/files/20131129.pdf
主たる製品用途分野
対象事業の主要製品である機能性モノマーは、当社主力事業である製紙用薬品の原料として使用されている他、紫外線硬化性、接着性、低皮膚刺激性等特有の機能を活かして、塗料、インキ、接着剤、化粧品などの幅広い分野で活用されています。さらに電子材料分野における用途拡大も進んでいます。
事業規模
売上高 約 30 億円 (平成 25 年 3 月期)
総資産 約 36 億円/純資産 約 23 億円 (平成 25 年 3 月末) (上記数値につきましては、分割以前の興人フィルム&ケミカルズにおける該当事業の管理会計上の数値を基に算出した参考値となります。)
材料③
新規事業の売上:約28億円(2014年度)
新規事業の売上:約43億円(2015年度)
新規事業の売上:約35億円(2018年度)
材料②より
→子会社化する会社の主力事業は、「製紙用薬品の原料」なのでこれは新規事業ではないと推定される。つまり、新規事業約28億円は、この子会社の主力事業ではないということ
材料③より
会社全体の売上が増えているのに、経営目標から算出される新規事業の売上が減っています。そんな不思議現象は、普通に考えて上方修正されるでしょうね。
ここからは推測ですが、
・既存事業は、多分かなり落ち込んでいる
・ところがそれを補ってあまりあるほど新規事業の見通しが明るい
中期経営計画の数値を見てみると分かるんですが
前回発表時
連結売上高:27,080百万円
新規事業領域 売上高比率:4.1%
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新規事業を除外した売上予想:25,969百万円
今回修正
連結売上高:28,780百万円
新規事業領域 売上高比率:15.0%
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新規事業を除外した売上予想:24,463百万円
ほら既存事業に関しては相当厳しいでしょ?
つまり今回の2014年12月期予想についても
連結売上高:26,160百万円
新規事業領域 売上高比率:10.8%
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新規事業を除外した売上予想:23,334百万円
子会社化する事業の売上高:30,000百万円(※1)
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既存事業の売上高予想:20,334百万円
2013年の売上高実績:21,122百万円
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前期比:96%
※1 子会社する事業の既存売上は、新規事業としてカウントしないと推定
つまり、新規事業と子会社化がなければこうなってたのではないかと推定してます。
まとめ
・新規事業の売上が急速に伸びていると判断するべきか既存事業の市況環境が厳しいと判断するかは分かれるところ
・経営計画の売上を上方修正した以上、かなり新規事業の引き合いは強いことが分かります。またその伸びは倍々ゲームで伸びていく可能性が高い
・セルロースナノファイバーが凄い材料というのはあながち2chの買い煽りだけでないかもしれない
・エネリスの決算が好感されたように星光の決算も好感される可能性が高いと思うけど明日次第
星光PMCへの認識
既存事業 → 厳しい
新規事業 → 驚異的に伸びる予測
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