獄長!
ベガの月次、どう判断しますか?
ふむ…なるほど…という感じかな。
え・・・?
え・・・?
ちゃんと説明してください。
…
…
…
先に結論から言うと、「判断が難しくて推測しか出来ない」かなと。
まず、前提条件として2021年3月期1Qの決算の数字が非常に良かったため、株価が大きく反応したという事。
2021年3月期 第1四半期決算短信
それを受けた株価の動き
※上記チャートはマネックス証券より
はい。
この数字は、かなりの想定外だったため、3日で株価が2倍になりました。しかし、徐々に皆が冷静になってきて「フェアバリュー」はどの辺りになりそうかな?という判断に移行していっているという事。
ふむふむ
その判断において個人的に興味があったのは、7月の月次では無くて、1月~5月の月次の数字が見たかったんですよね。
どうして、7月の月次は興味が無かったんですか?
それは、経営者が浮かれて「月次開示しまーす!!」って言った時点で「いい数字が出てるから」に決まってるからです。7月の月次が悪い数字なら7月に開示した決算資料で月次を開示するという判断はしないから。
たしかに…。そういえば月次が悪くなると急に月次の開示を取りやめる経営者は結構いますよね。
そういう事。
そこで今回見るべきは、「コロナ特需を除いた部分」の会社の施策が今後の成長に寄与してるかどうか?ですね。
なるほど。
特に今回は、「コロナ特需」と「新生活特需」が重なって、オンライン販売へ非常にプラスの寄与があるため、それをベースにして成長を考えると間違った判断になる可能性に非常に高いという事。
言われてみれば確かに、新生活特需ありますけど、ちょうどのタイミングで店舗が閉鎖になっていたから、非常に大きな特需発生してますよね。
そういう事。そして今後それは剥落していく見込み。つまり、徐々に通常の生活に戻っていくという事。そうなった時にでも、ベガが成長していくか?という判断できるだけの根拠があるか無いかの見極めが大事になってくる。
なるほど!
そこで見るべきは、「コロナ前から成長していたかどうか」の判断
それで、1月~5月の数字が見たかったという事なんですね。
そうそう。それで、該当の数字を見てみると…露骨に3月から数字が跳ね上がってますが、問題は10月~2月の数字。
まるで成長してませんね…
そうなのよ。会社の施策としては、「LOWYA旗艦店への移行」と「コスト削減」で、成長と利益の確保を狙っていたんでしょうが、問題はコロナ前までそれが有効に機能していたとは言い難い事がはっきりしてしまったという事でしょうか。これが1月位から徐々に数字が右肩上がりになっていて、コロナで大幅に積み増し!という数字であったならば話はちょっと変わってきたんですが…。
前期の決算資料を見ても分かるのですが、旗艦店へのシフトも楽天の売上を喰ってるだけで、全体として成長はしていない。
さらに上のグラフと、次のアクセス数の推移と見ると分かるのですが、前期3Qまでは、旗艦店へのシフトが進むと同時に「全体としてのアクセス数が減少している」という点です。
そうすると、「コロナ特需」と「新生活特需」が合算して乗ってきたため、非常にサプライズの数字が出てきましたが、会社の施策はあまり上手くいってなかったという判断される可能性が高いです。
まぁ、確かに…
それともう一つ指標として見ているのが、大型家電の売れ行きですね。つまり、家具と大型家電はセットで買う可能性が高く、特に「新生活特需」の方の見極めに大型家電の売れ行きの数字を追っていくと家具の数字もある程度推測できますね。
ここでちょっと面白い数字が出てて、いわゆる大型家電は5月から7月上旬まで前年同期比で非常に大きな売上の伸びを示していたんですよね。それが7月の末くらいから前年同期比で減少し始めてきているんですよ。
え?やばくないですか?
多分ね…。つまり新生活特需の剥落と、反動減が8月に来る可能性が高い。
それに直近の情報で言えば、ワクチンの状況次第でコロナ禍の状況が早期に変化する可能性があるため、それを織り込む動きが出る可能性も高いです。
ちょっとネガティブな情報を多く取り上げましたが、実際にはちょっと判断が難しくて、いったんは落ち込むもののそこから再度復活していく可能性もあり、1Qのサプライズの数字を評価して株価がさらに上昇する可能性も十分にあります。
なるほど、だから最初に判断が難しいとおっしゃってたんですね。
そういう事。個人的な見解としては、コロナ特需も終了の匂いがしますし「ちょっと厳しいな」という判断ですが、株価が短期で予想通りに動く事なんてまず無いので、(上で述べたように良い数字は出ない予想ですけど)8月の月次の数字を見て判断かなという印象です。
ありがとうございます!
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